離婚後に自分の名字をどうするか、子どもを自分と同じ戸籍に入れるかは、生活に関わる大切な問題です。親権者になっただけで、子どもの名字や戸籍が自動的に変わるわけではありません。離婚届、氏に関する届出、子どもの戸籍の手続を区別しましょう。[1][2]
学校では同じ名字を使っていても、戸籍上の扱いが同じとは限りません。離婚後の予定を先に決め、必要な裁判所の手続と市区町村への届出を確認しておくと、手続の抜けを防ぎやすくなります。
この記事の内容
- 自分の氏をどうするか先に確認する
- 子どもの戸籍は親権の指定とは別に考える
- 子どもの年齢と親権の形を確認する
- 戸籍資料と申立先を確認する
- 許可後の入籍届と生活上の変更を進める
- 戸籍を移しても親子関係が消えるわけではない
- 家族ごとの手続一覧を作る
- よくある質問
自分の氏をどうするか先に確認する
婚姻によって氏を改めた人は、離婚によって原則として婚姻前の氏に戻ります。離婚の日から3か月以内に所定の届出をすることで、離婚の際に称していた氏を引き続き称することができます。[1]
仕事で使う名前、資格登録、銀行口座、身分証明書などへの影響も考えます。普段の呼び名と戸籍上の氏は区別し、通称を使える範囲はそれぞれの窓口で確認してください。氏の選択だけで子どもの戸籍が変わるわけではありません。
離婚後に婚姻中の氏を使う届出をした後、改めて婚姻前の氏へ戻したい場合は、家庭裁判所の氏の変更許可が問題になります。最初の選択を後から届出1枚で自由に戻せると考えず、期限とその後の手続を確認します。[2]
子どもの戸籍は親権の指定とは別に考える
両親が離婚し、子どもと暮らす親が変わっても、それだけで子どもがその親の戸籍へ移るわけではありません。親権、監護、住民票、戸籍はそれぞれ別の制度です。1つの手続をしたことで全部が変わったと思わないようにします。
子どもを離婚後の親の戸籍へ入れたい場合には、通常、家庭裁判所の子の氏の変更許可を得た後、市区町村へ入籍届を提出する手順を確認します。許可だけで戸籍の届出まで完了するわけではありません。[2]
親が婚姻中の氏を使い続け、子どもと同じ文字の名字であっても、戸籍を移すために子の氏の変更許可が必要となることがあります。「見た目の名字が同じだから何も要らない」と判断しないでください。[3]
子どもの年齢と親権の形を確認する
子の氏の変更許可は、子どもが15歳以上なら子ども自身が申し立てます。15歳未満では法定代理人が行います。成年か未成年かという区別だけで判断せず、15歳という手続上の区切りを確認してください。[3]
2026年改正後、離婚後に父母双方が親権者となっている場合には、15歳未満の子の手続は原則として父母共同で行います。子どもと同居している親なら、いつでも単独で決められるというわけではありません。[2][3]
他方の親と合意できない場合や連絡できない場合には、事情に応じた家庭裁判所の手続等を検討します。安全上の理由があるときは、その事情も最初に伝えてください。必要な手続を確認せず、相手の署名を代わりに書くことは避けます。
戸籍資料と申立先を確認する
子どもの住所地の家庭裁判所が申立先となります。子どもの戸籍、父母の戸籍など、離婚の記載を含む必要な資料を確認します。家族の状況によって追加の資料等が必要になる場合があります。[3]
離婚直後には、戸籍に離婚の記載が反映されるまで時間がかかることがあります。学校や転居の予定がある場合は、書類が取れる時期と手続の順序を市区町村等へ確認します。「今日離婚届を出したから、今日すべて終わる」とは限りません。
兄弟姉妹がいる場合には、それぞれの年齢、戸籍、希望する扱いを確認してください。同じ家庭でも申立てを行う人や必要な手続が異なる可能性があります。子どもの人数分の確認を漏らさないよう一覧にします。
許可後の入籍届と生活上の変更を進める
家庭裁判所の許可を受けたら、審判書謄本等を用いて入籍届の手続を確認します。具体的な提出書類は届出先の市区町村へ問い合わせてください。裁判所から書類が届いた後、そのまま保管するだけでは終わりません。[2]
戸籍の手続と併せて、学校、保険、金融機関、各種給付等の変更の要否を確認します。窓口ごとに必要な書類が違うため、提出先、必要書類、対応日を表にすると重複や漏れを減らせます。
子どもへの説明では、親同士の対立を背負わせないことが大切です。名字が変わる場合の学校生活や友人への説明について、年齢や理解に応じて本人の気持ちを聞きます。手続を急ぐあまり、子どもが突然知らされる状況を避けましょう。
戸籍を移しても親子関係が消えるわけではない
戸籍の移動と、法律上の親子関係は同じものではありません。離婚によって子どもと別居する親との親子関係が当然に消えるわけではなく、養育費や相続等の問題も別に検討します。[1]
再婚や養子縁組を予定している場合には、さらに別の手続と効果が関わります。単に名字をそろえる場合と養子縁組をする場合を混同しないよう、子どもの立場から整理してください。
相談時には、離婚日または予定日、父母と子の現在の戸籍、子どもの年齢、親権の指定、希望する名字を伝えます。書類がそろわない場合も、分かる情報から手続の順序を確認できます。
札幌・手稲で離婚後の名字や子どもの戸籍に迷う方は、離婚条件の相談と併せてご相談ください。期限のある届出と裁判所の手続を整理し、生活上の変更を進めるための準備を検討します。
家族ごとの手続一覧を作る
一覧には、対象となる人、現在の氏、希望する氏、現在の戸籍、希望する戸籍、年齢、必要な手続を記載します。親と子ども、きょうだいを同じ欄にまとめず、それぞれ確認してください。名字を変更する手続と、住所を変更する手続の担当窓口も区別します。
例えば、母が婚姻中の氏を使い続け、子どもも同じ文字の名字を使う場合でも、戸籍は別のままということがあります。学校で使う名前が変わらないから戸籍上の手続も済んだと考えず、どの戸籍に入っているかを実際の資料で確認します。
子どもが15歳になる時期と申立ての時期が近い場合は、誰が申し立てるのかを裁判所へ確認します。書類を準備している間に年齢が変わることもあるため、申立日を基準に最新の状況を伝えてください。子ども本人の手続が必要な場合には、内容を理解できるよう説明します。
名字の変更に伴う連絡先は、学校、医療機関、金融機関、保険、資格登録、契約等に分けて確認します。旧姓のまま利用できるものと変更が必要なものは同じではありません。必要書類を一度に把握すると、同じ証明書を何度も取り寄せる負担を減らせます。
本人確認書類を更新するまでの間、予約名や契約名と身分証の氏が違うと確認に時間がかかることがあります。旅行や重要な契約の予定がある場合は、提出先で必要な対応を確かめてください。手続の都合だけで氏を決めず、今後の生活と本人の希望を合わせて考えます。
よくある質問
Q. 親権者になれば子どもの戸籍も移りますか
A. 自動では移りません。子の氏の変更許可や入籍届等の手続を確認します。
Q. 親子の名字の文字が同じなら手続は不要ですか
A. 戸籍を移すためには許可等が必要となることがあります。文字の一致だけで判断しないでください。
Q. 16歳の子の申立ては親が行いますか
A. 子の氏の変更許可は15歳以上であれば子ども自身が申し立てます。
Q. 共同親権でも同居親だけで手続できますか
A. 15歳未満の子については原則として父母共同で行います。合意できない事情があれば手続を相談します。
Q. 裁判所の許可が出たら戸籍も変わりますか
A. 許可後に市区町村への入籍届が必要です。届出先で提出書類を確認してください。
参考資料(一次資料)
- [1] 民法(現行条文)
- [2] 裁判所 家事事件Q&A
- [3] 裁判所 離婚に関する手続説明 子の氏の変更
- 資料確認日 2026年9月23日
ご相談について
札幌手稲ポプラの丘法律事務所では、離婚に関するご相談を承っています。手元の資料とこれまでの経緯を基に、必要な手続と対応の順序を整理します。

