再販後の不具合をリフォーム業者に請求できる?札幌の買取再販会社の確認事項

不動産事業者向け

この記事の内容

買主への対応と、施工業者への請求は別々に組み立てる

中古住宅を仕入れ、リフォーム後に販売したところ、引渡し後に雨漏りや設備不良を指摘された。こうした場面で、買取再販会社が買主に修繕費等を支払えば、その全額を当然に施工業者へ請求できるわけではありません。

買主に対する売主の責任と、発注者に対する施工業者の責任は、別の契約に基づきます。 誰がどの品質を約束したか、不具合の原因がどの工事にあるか、請求する費用との関係が認められるかを、それぞれ確認します。以下は中古建物のリフォーム請負を中心とする説明であり、新築住宅の特則や、部材の売買が別に含まれる契約は区別して検討します。[1]

1.売買契約と工事請負契約を並べて読む

最初に、再販時の売買契約書・物件状況の説明資料と、施工業者との見積書・注文書・請負契約書・仕様書を並べます。両方に『リフォーム済み』という言葉があっても、約束した範囲が一致するとは限りません。

例えば、施工業者への発注が内装の更新に限られるのに、再販時の説明が建物全体の性能を広く保証する内容になっていれば、買主との関係で負担した責任を、そのまま施工業者へ移すことはできません。工事範囲外の箇所でも調査・報告義務などが問題になる余地はありますが、その根拠を個別に確認します。[1]

宅建業者が宅建業者ではない買主に売る場合の宅建業法40条の制限と、施工業者との請負契約の責任期間も別の問題です。売買側で制限される免責を、施工業者の保証書があるという理由だけで有効にしたり、売買側の期間をそのまま請負側へ当てはめたりはできません。宅建業者相互間の取引には同条の適用除外がありますが、施工業者への請求の成否はなお別途検討します。[2]

2.『施工不良』と決めつける前に原因を分ける

不具合の原因としては、工事の方法や使用部材、施工前から存在した欠陥、再販会社が指定した設計や材料、工事後の使用・維持管理などが考えられます。買主の申告だけで結論を決めず、専門的な調査が必要かを判断します。

札幌の物件では、積雪で未確認だった部分、融雪時に発見された漏水、凍結と設備の使用状況なども、発見時期と発生原因を分けて記録したい項目です。ただし、春に見つかったことだけで、冬の工事に原因があると断定はできません。

民法636条は、注文者が提供した材料や指図が原因の不適合について、請負人に一定の責任追及をすることを制限しています。ただし、請負人が材料や指図の不適当さを知りながら告げなかった場合は別です。『発注者の指示どおりだから常に免責』という整理にもできません。[1]

3.修理を始める前に、確認の機会と証拠を確保する

危険な漏電、漏水の拡大などへの応急対応は優先すべきです。そのうえで、可能な範囲で施工業者に不具合を具体的に通知し、現場確認や補修の提案をする機会を設けます。

別業者による全面的なやり直しを先行させると、原因、従前の状態、補修範囲の必要性が争われることがあります。応急措置と恒久的な工事を分け、着手前後の写真、調査報告、交換部材、作業内容、見積書、支払資料を残してください。撤去物の保管が難しい場合も、寸法・品番・破損状態を記録するなど、確認できる情報を残す方法を検討します。

契約不適合に対する追完、報酬減額、損害賠償、解除は、要件が同一ではありません。相手方への催告が必要か、緊急対応の費用をどこまで請求できるかも含め、請求の根拠を整理します。[1]

4.民法637条の『1年』を保証期間と取り違えない

請負の仕事の目的物が種類・品質について契約に適合しない場合、民法637条は、原則として、注文者がその不適合を知った時から1年以内に請負人へ通知することを求めています。『引渡しから1年間しか責任を負わない』『1年以内に必ず訴訟を起こす』という規定ではありません。[1]

また、引渡し時、引渡しが不要な場合は仕事の終了時に、請負人が不適合を知っていたか、重大な過失によって知らなかったときは、同条の通知制限について例外があります。別途、契約上の条項、民法166条等の消滅時効、契約時期に応じた経過措置も確認が必要です。[1]

通知は、対象工事、不具合の箇所・状態、判明時期を特定し、相手方に到達したことを確認できる方法で残します。原因の調査中でも通知を先に行う必要がないか、判断を遅らせないことが重要です。

5.買主との解決金を、そのまま施工業者へ回さない

買主との合意では、売主側の営業上の判断で広い補償を行うこともあります。しかし、その合意に参加していない施工業者が、同じ金額を当然に負担するわけではありません。

施工業者への請求では、補修費、調査費、仮住居費等を項目ごとに分け、工事の不履行との因果関係、必要性、金額、予見可能性などを検討します。民法415条・416条の問題と、買主との任意の合意内容を混同しないことが大切です。[1]

買主への対応を施工業者との決着まで一切止めるという運用も避けたいところです。安全確保と損害拡大防止、買主に対する法的義務、施工業者への証拠保全と通知を、並行して検討してください。

よくある質問

Q. 施工業者の保証期間が過ぎたら、何も請求できませんか。

A. 保証条項が何を対象とし、法定の責任との関係をどう定めているかによります。保証期間という表示だけで結論を決めず、契約条項の効力、通知期間、消滅時効を分けて確認します。[1]

Q. 買主に返金した額は全額請求できますか。

A. 当然にはできません。売買と請負は別の契約であり、施工業者の義務違反と返金額との関係、金額の相当性等が問題になります。[1]

Q. 買主が怒っているので、すぐ別業者に直してもらうべきですか。

A. 緊急性が高い応急措置は別として、現状の記録、施工業者への通知、調査や補修の機会を確保できるかを検討します。事後に費用を請求する予定なら、先に原因や範囲の証拠を失わないようにしてください。[1]

札幌で買取再販の不具合対応を相談する際に

売買と工事の契約一式、発注範囲が分かる図面・見積、工事前後の写真、買主からの連絡、施工業者とのやり取りを揃えると、二つの契約関係を整理できます。再販会社としての対応方針は、不動産事業者向けの法律支援をご確認ください。

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参考法令・公表資料

  1. 民法。本記事の参照箇所:166・415・416・541・542・559・562〜564・632・636・637条等。
  2. 宅地建物取引業法(35・37・39・40・46・78条等)。本記事の参照箇所:40条・78条2項。

本記事は一般的な法制度と実務上の留意点を説明するものです。個別の対応は、契約内容、契約時期、事実関係、適用される法令等によって異なります。

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