Flow & Checklist
個別指導は準備と当日の対応が全てです。薬剤師資格を持つ弁護士が、手続きの流れとよくある指摘事項を解説します。
「何が起きるか」を知り、冷静に対策を立てましょう。
※一般的な流れです。地域や事案により期間は変動します。
厚生局から「個別指導の実施について」という通知が届きます。この時点で弁護士へご連絡ください。
指導対象となる患者名(通常10〜20名程度)がFAX等で通知されます。
対象患者の処方箋、薬歴、調剤録等を揃えます。弁護士とともにカルテ・薬歴の整合性をチェックし、記載漏れや不備の有無を確認します。
技官・事務官による指導が行われます。弁護士が帯同し、不当な威圧や誘導尋問を牽制。必要に応じて法的観点から意見を述べます。
「概ね妥当」「経過観察」「再指導」「監査」などの結果が通知されます。指摘事項に対し、改善報告書を作成・提出します。
算定要件を満たしていないと判断されたものについて、保険請求の返還手続きを行います。
それぞれ目的とリスクの大きさが異なります。
| 種類 | 対象・契機 | 主な目的・リスク |
|---|---|---|
| 新規個別指導 | 新規指定から約6ヶ月経過した薬局 | 教育的指導が主。 しかし準備不足だと再指導や監査へ移行するリスクもゼロではない。 |
| 個別指導 | 高点数、情報提供(通報)、再指導など | 保険請求の適正化。 返還請求や、不正発覚時の監査移行リスクあり。 |
| 監査 | 個別指導の中断・中止後、不正が濃厚な場合 | 事実関係の調査。 保険指定取消(5年間の再指定不可)や戒告など、重い処分に直結。 |
以下は典型的な指摘例です。これらを事前にチェックし、合理的な説明ができるよう準備します。
相談:平均点数が高く選定された。薬歴記載が薄く、返還が怖い。
対応:通知後直ちに弁護士が介入。全対象患者の薬歴を精査し、記載漏れ部分について補足説明資料を作成。当日は弁護士が帯同。
結果:指導官の指摘に対し、資料に基づき反論。自主返還は最小限に留まり、監査移行を回避。
相談:元従業員の通報により、特定加算の算定について疑義を持たれている。
対応:算定要件を満たしていることを示す間接証拠(研修記録、掲示物、業務日誌)を収集し、意見書を準備。
結果:「不正請求」の疑いは晴れ、事務的な指導のみで終了。
相談:個別指導中に「カルテとの不整合」を指摘され中断。監査移行を示唆された。
対応:聴聞手続に向け、弁護士が事実関係を再調査。意図的な不正ではなく、事務ミスであることを主張。
結果:指定取消処分を免れ、戒告処分に留まった。
個別指導の通知は突然やってきます。スポット依頼の場合、
「今すぐ薬歴を見てほしい」「来週の指導に来てほしい」
という要望に、スケジュールの都合で応えられないリスクがあります。
顧問契約があれば、「優先対応権」により確実に弁護士を確保できます。
また、平時から薬歴の書き方等をチェックしておくことで、指導リスク自体を低減できます。