人手不足で「応援薬剤師を入れたい」となったとき、急いで契約すると後で痛い目を見がちです。特に派遣と業務委託を混同すると、運用がズレてリスクが増えます。
この記事では、応援薬剤師を入れる前に押さえるべき「派遣と委託の違い」と、契約・運用のチェックポイントをまとめます。
1. まず整理:派遣と業務委託(請負)は別物
派遣の特徴
- 派遣元と雇用関係がある(雇っているのは派遣元)
- 就業先(薬局)が現場で指揮命令を出すことが前提
- 契約は派遣契約(派遣元との契約)
業務委託(請負)の特徴
- 成果・業務の完成を委託するイメージ
- 現場での細かい指揮命令はしにくい(やると実態が崩れる)
- 契約は業務委託契約(請負・準委任など)
注意:委託なのに現場でガンガン指示を出すと、いわゆる偽装請負の論点が出やすくなります。運用が派遣っぽいなら、最初から派遣で組む方が安全なことが多いです。
2. 応援薬剤師を入れるときの契約チェック(共通)
- 業務範囲:調剤、監査、服薬指導、在宅対応、管理業務の有無
- 責任範囲:事故・ミス・クレーム時の対応分担
- 報酬:時間単価/日当、交通費、キャンセル料
- 秘密保持:患者情報・社内情報の取り扱い、持ち出し禁止
- トラブル時:契約解除、損害賠償、再委託の可否
3. 派遣で入れる場合のチェックポイント
- 就業条件の明確化(勤務日・時間・休憩・業務内容)
- 派遣先管理台帳などの管理体制
- 現場での指揮命令系統(誰が指示するか)
- 個人情報アクセスの範囲(必要最小限)
4. 業務委託で入れる場合のチェックポイント
- 「誰が」「何を」「どこまで」やるかを業務記述で明確化
- 現場の指示は“依頼・相談”に寄せ、細かい命令は避ける
- 成果物・報告の形(業務報告、記録)を決める
- 偽装請負にならない運用(シフト・勤怠・評価の扱いに注意)
5. 薬局の現場で効く「運用」チェック
契約より運用で事故ることが多いです。特に個人情報は最優先。
- 電子薬歴・レセコンのIDは個別発行(共用禁止)
- 権限は必要最小限(管理者権限を渡さない)
- 勤務終了日に必ず権限停止
- 持ち出し禁止(紙・写真・私物端末)を周知
まとめ:応援薬剤師は「契約と運用」をセットで整える
人手不足ほど急ぎがちですが、派遣と委託の違いを整理して、契約・運用を整えるとトラブルをかなり減らせます。特に個人情報と責任分担は最優先で押さえましょう。
