薬局は狭い職場になりやすく、人間関係が濃い分、ハラスメントが起きると長引きます。さらに最近は、従業員間だけでなく患者さん等によるカスハラも経営リスクになってきました。
この記事では、ハラスメントを疑ったときに、薬局が揉めないための調査の順番と文書化のコツをまとめます。
1. 初動:安全確保と窓口一本化
最初にやるのは「結論」ではなく「安全」です。
- 被害者の安全確保(シフト分離、担当変更、席配置変更など)
- 相談窓口を一本化(誰が受けるか決める)
- 相談内容を記録(日時、場所、内容、証拠の有無)
いきなり加害者を詰めると、証拠が消えたり二次被害が起きたりします。
2. 調査の基本手順(薬局向け)
- 相談受付・一次評価(緊急性:暴力・脅迫・重大な個情漏えい等がないか)
- 証拠の確保(メモ、LINE、録音、勤務表、防犯カメラ、ログ等)
- 被害者ヒアリング(事実を時系列で具体化)
- 加害者ヒアリング(反論・言い分も記録)
- 第三者ヒアリング(目撃者・同僚)
- 判断と措置(注意・指導・配置転換・懲戒・再発防止)
- フォロー(再発監視、再面談)
ポイントは、最初から結論を決めないこと。「事実が何か」と「対応をどうするか」を分けて進めます。
3. ヒアリングでやってはいけないこと
- 「あなたも悪い」と決めつける
- 感情的に怒鳴る
- 被害者の前で加害者を問い詰める(対決させる)
- うわさ話を広げる(プライバシー・名誉の問題)
狭い職場ほど情報が拡散しやすいので、聞く範囲は必要最小限で。
4. “文書化”が命:薬局で使える3種類の文書
口頭だけだと、後から崩れます。最低限、次の3つを用意すると強いです。
(1)相談記録(受付票)
- 相談日時
- 相談者
- 内容(時系列、具体的発言・行為)
- 証拠の有無
- 相談者の希望(配置変更希望など)
(2)ヒアリング記録(被害者・加害者・第三者)
- 聞いた内容は、可能ならその場で要点確認
- 「言った/言わない」を減らすため、要点を整理
(3)措置決定書(社内決裁メモ)
- 何が認定されたか(事実認定)
- どのルールに照らして問題か
- どんな措置をとるか(指導、配置、懲戒等)
- 再発防止策(研修、ルール整備など)
5. カスハラ(患者等)対応は“現場ルール”が最重要
カスハラは現場が単独で抱えると消耗します。最初からルール化しておくのがコスパ最強です。
- 一定以上の暴言・脅迫は「責任者対応に切替」
- 録音・防犯カメラの運用ルール
- 出禁・警察相談の基準
- スタッフを守る掲示(注意喚起文)
まとめ:ハラスメントは「初動」「順番」「文書化」で勝てる
放置すると離職や炎上につながります。逆に、型があれば早く終わらせられる問題でもあります。就業規則や体制次第でできる範囲が変わるので、状況に合わせて設計するとさらに強いです。
