薬局は立地が命です。だからこそ、店舗賃貸借は「入る時」だけでなく「出る時」も重要になります。揉めやすいのは原状回復、更新、立退き、そして移転です。
この記事では、薬局の店舗賃貸借で揉めがちなポイントを、事前に潰すための視点で整理します。
1. 原状回復で揉める理由(薬局は特に揉めやすい)
薬局は内装・設備投資が大きく、造作も多いです。その分、退去時に「どこまで戻す?」が争点になりがちです。
原状回復でよく揉める項目
- 床・壁・天井の復旧範囲
- カウンター、待合、間仕切りなど造作の撤去
- 空調・給排水・電気工事の扱い
- 看板・外装の撤去
2. 入居時にやっておくと強いこと(退去時の勝ち筋)
- 現況写真・動画を残す(入居時の状態)
- 造作の内容を一覧化(どこを工事したか)
- 原状回復条項を読み、疑問点は契約前に潰す
入居時に記録がないと、退去時に「最初からこうだった」が通りにくくなります。
3. 更新で揉めるポイント
- 更新料の有無・金額
- 更新時に条件変更される(賃料改定、用途制限等)
- 自動更新か、更新手続が必要か
更新時に「新条件にサインして」と言われて慌てることが多いので、更新条項は早めに確認しておくのが安全です。
4. 立退き(貸主都合)に備える視点
貸主都合の立退きは、突然来ます。薬局は移転コストが高いので、立退きの話が出たら「移転費用」「休業損」「造作費」など現実的な損失を整理する必要があります。
- 立退きの理由(建替え、再開発等)
- 立退き期限(現実的に移転可能か)
- 立退料の提案(移転実費と釣り合うか)
5. 薬局が特に注意すべき条項
- 用途制限(薬局としての使用が明確か)
- 改装・造作の承諾要件(事前承諾・図面提出)
- 転貸・名義変更(法人化・M&A時に問題化)
- 看板・外装の扱い
まとめ:店舗賃貸借は「出る時」の設計で差がつく
入居時は気持ちが前のめりになりがちですが、揉めるのは退去時です。原状回復・更新・立退きの条項を押さえ、入居時から記録を残しておくと、将来の争いを大きく減らせます。
