薬局のITは、入れた瞬間よりも「使い続ける期間」にコストとリスクが出ます。POS・レセコン・電子薬歴などは、価格だけで決めると、あとで解約できない・データが出ない・障害時に守ってくれないが起きがちです。
この記事では、薬局がIT契約で必ず見ておくべき「解約・データ・保守」を中心に、契約チェックのポイントをまとめます。
1. 価格より先に見るべき3点
- 解約:いつ、どうやって、いくらでやめられるか
- データ:誰のものか/出せるのか/移行できるのか
- 保守:障害時の対応時間/復旧目標/責任範囲
2. 解約で揉める典型(薬局あるある)
- 最低利用期間が長く、中途解約すると高額
- 自動更新で、気づいたら更新されていた
- 解約申出の期限が「更新日の○か月前」など厳しい
チェック:契約期間、自動更新の有無、解約の申出期限、中途解約金、違約金の計算方法。
3. データ問題:本当に怖いのは「出せない」
電子薬歴・POSのデータは、薬局の資産です。ところが契約次第では、
- エクスポートが有料(しかも高額)
- 形式が独自で移行が難しい
- 解約するとすぐ閲覧不可になる
- バックアップが契約範囲外になっている
が起きます。
最低限押さえるべきデータ条項
- データの帰属(原則:薬局側)
- 解約時のデータ返還/エクスポート方法と費用
- 返還の期限(解約後○日まで閲覧可能など)
- 削除の扱い(削除証明の有無、ログ保管の範囲)
4. 保守・障害対応:復旧まで誰が何をする?
システムが止まると、薬局は受付・調剤・会計が止まります。ここで大事なのは「連絡窓口」ではなく、
- 対応時間(平日9-18だけ?夜間・休日は?)
- 優先度(重大障害の扱い)
- 復旧目標(いつまでに復旧する?)
- 代替手段(紙運用や暫定運用の支援)
です。
見落としがちな条項
- 免責が広すぎないか(「一切責任を負わない」系)
- 損害賠償の上限が低すぎないか
- 再委託(下請け)時の管理
5. 薬局向け:契約前にやるべき実務チェック
- 見積書の外に「契約条件(約款)」がないか確認
- 自動更新と解約申出期限をカレンダー登録
- データ移行の可否を事前に質問(形式・費用・期間)
- 障害時の連絡先と対応時間を紙でも残す
まとめ:IT契約は「やめる時」と「止まった時」で勝負が決まる
導入価格は分かりやすいですが、本当のリスクは「解約」「データ」「保守」に出ます。契約の入口でここを押さえると、将来のトラブルが一気に減ります。
